†Devil Kiss†

セドリックの真意

自分を見てほしい。



何でそんなに、人間に構うんだ?



ただの下等動物・・・



悪魔に何倍も劣る弱い生きものなんかに。



セドリックの不満は、ローランへの嫉妬へと変わっていった。




だが、そんなある日。




『結婚?』


『そう。彼、結婚したの』


『へ、へぇ・・・』



ローランが結婚したとグレースが言った。



『彼にはね、マリーという愛してる人がいたの。だけど、彼女には婚約者がいたの。だから、ちょっとあたしが力を貸してあげっちゃった』



そうグレースは無邪気に言っていたが、本当は胸が張り裂けそうだったに違いないと、セドリックは思った。



なぜかって?


僕がそうだったから・・・


ローランに夢中だったグレースを見て、僕がそうだったから・・・


だが、これで晴れてグレースは、以前のように僕を構ってくれる。



セドリックはそう思っていた。



だが、現実は違った。




それから、グレースは男遊びが酷くなった。



セドリックに構うことなく、欲に溺れる毎日を過ごした。




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