†Devil Kiss†
悪夢の終わり

光のなかへ

「やめろーーーーー!!!!」




ユハがそう叫んだ瞬間



暗い雲が覆っていた空が、突然、鐘の音とともに光りだした。




次には辺りが、真っ白い光に包まれ、3人は目を細めた。




『セドリック・・・・・・』




セドリックは耳に聞こえた、懐かしい声にハッとした。



「グレース・・・・・?」




姿は見えないのに、すぐ傍にいるように感じる。



『セドリック・・・もう止めて』


「・・・・君を、忘れられると思った。でも、僕もあの時の君と同じで、時間が止まっているんだ・・・」


『あなたが、こんなに苦しんでいるなんて、知らなかった・・・ごめんなさい』


「苦しんでなんかいないよ」




その時、頬に何か感触を感じた。



『じゃぁ、この涙は?』




グレースがセドリックの頬に手を当てているのだ。



「・・・っ僕は、君を愛していた!!君がいなくなってからずっと一人だった。人間を恨んだところで君は戻らないことくらいわかっていた。でも・・・」



誰かを恨んでいなければ、生きていられなかった。



愛していた人がいなくなり、セドリックは絶望し、苦しみ、辛かった。



本当は、修業に行ったのではなく、死にたくて魔の谷へ行ったのだ。



だが、魔獣たちは一匹も現れなかった。



3年も魔の谷にいたのに、一匹も・・・・





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