†Devil Kiss†

愛しい人・・・

光が止んだ。




目の前が見えるようになると、ユハはすぐにローズの傍に行った。



「ユハ・・・・セドリックは行ったのね」


「あぁ・・・」




とても、優しい温かい光だった。


グレースさんがセドリックの頑なな心を溶かしてくれたんだ。



「ねぇ、ユハ」


「ん?」


「悪魔に心がないなんて、きっと嘘よ」


「・・・・・そうかもな」




人間の悪の心から生まれた悪魔。



最初は確かに、心は存在しなかったのかもしれない。



でも、何百年も生きる間に知らないうちに、心が出来てきたんだろう・・・・



誰かを愛しく想う気持ちが芽生えるようになったのだろう。



ユハはローズの瞳を見つめた。




「ローズ・・・・愛してるよ」


「あたしも、愛してる」



そう言うローズは綺麗だった。



「でも、俺は魔界に戻らなくちゃいけない」


「えっ?」



ローズは首を振った。



「嫌よ。どうして?どうして行かなくちゃいけないの?」



なぜって・・・



俺が悪魔だから。




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