†Devil Kiss†
俺たちは出会ってはいけなかったんだ。



悪魔と人間



緒戦は、見えない壁に遮られる二つの生きもの。



「俺は、悪魔に戻ってしまった。セドリックに無理やり魔術をかけられたせいで・・・・」


「でも・・・・・」


「君とはもう、いられない」




心が張り裂けそうだ。



それはお互い、そうだった。



ずっと、一緒にいたい


傍で、愛を囁きたい


愛し合いたい




愛し合っている中なのに、なぜ離れなければいけないの・・・・



ローズは涙を流した。



「ローズ・・・泣かないでくれ」


「じゃぁ、抱きしめて」


「え?」




今まで、こんなに大胆になったことないのに。



ローズ自身も、顔から火が出そうなくらい恥ずかしかった。



ユハは手を差し出そうと思ったが降ろしてしまった。




もしも・・・・・・

抱きしめても、温もりが感じられなかったら・・・



こんな辛いことがあるだろうか・・・



人間じゃないと、悪魔は相手の温度さえわからない。



愛してる人の温もりが感じられないなんて




ユハが俯いていると



ローズがユハの腕を持ち上げ、自分に絡ませ、自分はユハの胸に抱きついた。




「感じない?」



感じるよ・・・・・温かい


「いや、感じない」



もっときつく抱きつく


「まだ?」


「あぁ・・・・・・」




感じるよ


しっかり。


腕に感じなくても


体で感じなくても


心で感じるよ。



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