†Devil Kiss†
あたしには、ユハの鼓動も何もかも感じられる・・・



ユハも感じているんでしょう?







抱きしめている二人を見て、上空でアリスとクロードは、悲痛な想いだった。



近くで見てきたからこそ、叶わない恋にユハがどれだけ苦しんでいるか、気持ちが手に取るほどわかった。



「どうしたらいいんだ?!」


「あんなに愛し合っているのに、引き離したら・・・」



何か方法がないかと考えるが、何も浮かばない。



と、その時二人は自分達が消えかかっているのに気が付いた。



「あ、そんな・・・」


「犠牲だ・・・・だから、アリスはこっちに残ればよかったんだ!」


「そんなこと出来るわけないじゃない!!」



あの禁薬は、犠牲になる者の血を使って完成するものなのだ。



クロードは自分だけでいいと言ったが、アリスも血を捧げたのだ。



「一人でなんて生きていたくないの!」


「え?」


「だって・・・あたしは・・・ん!?」



それを言う前に、クロードに唇を塞がれてしまった。




深く、深く、甘い口付けに酔いしれる二人





















「愛してる。アリス」


「あたしも・・・愛してる」





二人はそのまま、消えてしまった。




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