†Devil Kiss†
勢い良く、飛び付いた。



「うおっ!!」



あたしを受けとめてくれる大きな手を背中で感じながら、ローズは必死でユハにしがみついた。




そんなローズが愛しくて、ユハもローズを掻き抱く。



「ユハ・・・・・会いたかった・・・ユハ・・・」


「ローズ・・・ローズ・・・俺もどれだけ君に会いたかったか・・・」



互いに名前を呼び合い、存在を確認し合う。







もう、どこにもいかないで。


もう、離すもんか。





ローズはユハの胸に頭を付けながら、聞いた。




「どうして?」


「どうしてって?」


「どうして、ここに?」


「あぁ・・・・それは、サタン様のお陰だ。俺たちの王様」


「サタン様・・・・・」


「そう。もうこれからはずっと一緒だ」


「ずっと?」


「あぁ。俺も、人間になれたんだ」




そう。ユハはあの後。



魔界の王、または、第一級悪魔、のサタンのもとへ行き、人間にしてもらったのだ。



しっかり人間に必要な常識や知識もある。



そして





「心もしっかりあるしな」





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