†Devil Kiss†

恩人

*    *    *


「・・・・ズ・・・・ーズ・・・・」



静かに聞こえてきた声。


お母さん・・・?



「・・・ローズ!!」


「は・・・・・・・」



はっきり名前を呼ばれ、重い目蓋を無理やり開けると



そこにはホッとした顔のマリーがいた。




「お母さん・・・あたし・・・ここ・・・」




だんだんと頭が覚めていき、昨夜のことを思い出した。



「あ!お母さん、あたし昨日の夜」


「しー!静かにしなさい。せっかく寝ているんだから」




人差し指を口に当て、急いで言うマリー。



「え?・・・・・・誰が?」


「お前をうちまで運んでくださった方だよ」



マリーの後ろを見てみると、そこには綺麗な顔をした青年が眠っていた。




なんて素敵な人だろう・・・



あまりに魅力のある容姿に見とれてしまった。




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