†Devil Kiss†
その後は、ユハが目覚めるまでローズは昨夜のことをマリーに話した。



マリーは頭に血が上ったのか、顔を真っ赤にして話を聞き


聞き終わるとため息を吐いた。




「この村に、そんな輩がいるんだねぇ・・・」


「まぁ、向こうも相当酔ってたみたいだから、覚えてないと思うけど」



覚えてられても村に行きづらくなるから困るんだけど・・・




一通り話し終わると、マリーは朝食の準備に部屋を出ていった。




掛け時計を見ると6時過ぎだった。



もう日が昇り、日差しがカーテンの隙間から部屋の中に入ってきている。




普段なら、起きてマリーの手伝いをしているところだが、今はまだ動けなかった。



さっき話したせいで昨夜の出来事が鮮明に思い出され、急に怖くなってきた。



大丈夫、大丈夫。


もうここは家よ。


何も心配しなくたって
守ってくれる家族がいる。


ローズは自分の腕の震えを止めようと、手で押さえていたが止まらない。



「・・・ふっ・・・・・・・」



涙も込み上げてきてローズの頬を濡らした。



















「泣くな・・・・・」











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