†Devil Kiss†
「え・・・・・・・?」



声の主はさっきまで眠っていた青年だった。



「はぁ・・・・頼むから、泣かないでくれないか」



ユハは天井からローズに目を移した。





昨日とは違い、瞳がしっかりと自分を捕らえている。


綺麗なブルーの瞳が見開いている。



おまけに涙がくっついて
いるが・・・



「涙、拭いたら?」


「え、あ・・・・・はい」




ローズは我に返り、頬に伝う涙を拭った。



そしてハッと思い出し、ベッドから抜け出し、ユハの横になっている傍に近寄った。



「あの、昨夜は助けて頂いたみたいで・・・ありがとうございました」



座ったまま礼をし、顔を上げるとユハはジッとこちらを見ていた。





「・・・・・あの、何か?」



引き気味のローズに対し、遠慮なく見続けるユハ。




「綺麗だな・・・・・」


「・・・・・っえ?!」




ボンヤリとローズを見ていると


思ったことがそのまま出てしまった。




言ってから、自分でも柄にもないことを言ってしまったと驚き、恥ずかしくなった。



「いや、その・・・・忘れてくれ」


「は、はい////」



ローズも男の人に面と向かってそんなことを言われたことが無かったので、動揺した。



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