†Devil Kiss†
ジッとローズを見ていると突然こっちに振り向いて



「でも、どうしてそんなことを?」


「え・・・・・・・?」


「どうして、そんなことを聞くんですか?」




首を傾げて聞いてくるローズにユハはアタフタするばかり。



「いや、その・・・俺は恋をしたことがないから、どんなものかと思っただけだ・・・」



恋をしたことがない?

こんなに綺麗な方なのに、どうして?


普通に立っているだけでも、人の視線を釘づけにしてしまうような容姿を持っているのに・・・


でも、確かに初めて喋った時から、遊んでるという印象は感じられなかった・・・



フィデールよりも容姿は遥かに良いが、女性の扱いや接し方が、明らかにぶっきら棒だとローズは思った。



でも、そっちの方があたしにはありがたいかも。

変にカッコ付けてなくて、裏もないから、初めてなのに信頼できる。

それに、彼には助けてもらったご恩がある。



「ユハさん。明日は近くをご案内いたします。」


「え?」


「ずっと家に籠もっていては退屈でしょうから・・。あ、村にはあまり行きたくないので、私のお気に入りの場所でも構いませんか?」


村にはフィデールがいる。


二人でいるところを見られたら、大騒ぎになるかもしれない。



でも、お客さまを案内するのに、あんな何もないところに連れていっても、増々退屈するだけかも・・・。



ローズがため息を吐くと



「俺は君といられるなら、どこでもいい。」


「え?」


そんな言葉を顔色一つ変えずに言うユハに、ローズはドキッとした。



「? どうかしたか?」


「い、いえ///」



ローズの顔が赤い。



ユハは、自分がそうさせているなんて思いもしなかった。



















「何してるの?ママ。」


「しっ!!!」



そんな二人の様子を心配そうに、ドアの外から聞いてるマリーだった。



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