†Devil Kiss†
*    *    *


「ローズ・・・なぁローズ・・・どこに行くんだよ?」



ユハが尋ねるとローズは急に立ち止まった。



走ってきたのは家とは反対方向。



あの場にいるのはまずいと思って無我夢中で走ったら家とは反対の森に来てしまった。




立ち止まり、黙ってしまったローズにユハは、さっきのはいけなかったのかと、考えていた。



あの男が来た時にローズはとても嫌な顔をしていた。



まぁ当たり前だ。



せっかく村を避けて来たのに一番会いたくない奴に会ったのだから。




だったら、追い払えばいいのにと思った。



だが、この世界ではそう簡単なものではないらしい。



毎日Moonlakeから見ていたから、それは理解できた。



だが、せっかく2人きりだったのを邪魔された気分になり、ユハは苛立ちを隠せなかった。




でも、ローズには迷惑だったのだろうか・・・?





「ローズ・・・?」


「ありがとうございます!」




だが、心配とは裏腹にローズから出た言葉はお礼の言葉だった。




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