†Devil Kiss†
ありがとう・・・?
「え・・・怒ってたんじゃないのか?」
そう尋ねれば、ローズはこちらに振り返り、笑って言った。
「全然!反対にすごくスッキリしました」
「・・・?どうして?」
「フフ。あんなにあの人にはっきり口答えしたのを見たのはあなたが初めてです」
ローズがあまりにもはつらつとしているのを見てユハは、肩の力が抜けた気がした。
「あ―・・・本当に今日は気持ちが良いです♪」
真っ青な空を見上げて、ローズは大きく伸びをした。
そんなローズを見て、ユハは思った。
なぜ、思ったことを素直に言ってはいけないんだ?
気に入らないなら、そう言えばいい。
話したくもない、会いたくもないなら、そう言えばいいじゃないか。
人間界ではそれもダメなのか?
それとも、俺の世界のようにこっちの世界にも階級があるのだろうか?
ユハの世界では、階級が自分よりも上ならば、やはり上下関係というものが出てきて、多少は人間界のように態度は気にする。
だが、気に入らなければその場で消すこともあり、また、殺されることもある。
悪魔の世界では階級は建前でほぼ力が全てだ。
だが、階級は生まれ持ってのものだから、上に昇進することもない。
まぁ、階級が上がるごとに魔力も強いから、下の奴が上の奴を倒すなんて滅多に無いがな・・・。