†Devil Kiss†
Human world〜3rd

失踪

翌日は昨日とは打って変わって雨だった。



ユハは、サーっという雨の音で目が覚めた。



何の音だ・・・?



カーテンを開けるとユハは目を丸くした。



空から水が降ってきているのだから。



「な、何なんだ!?これは・・・」



驚いていると、今度はリビングの方からも何やら慌しい音が聞こえてきた。



『―――・・・――!!』


『――?―――・・・』



そしてドアが閉まる音がした。



誰か出かけたのか?



ユハはベッドから降り、リビングにつながるドアを開けた。





「あ、ユハ兄ちゃん!おはよう!!」


「お、おう・・・」



ドアを開けると、リビングにいたのはエリックだけだった。



「なぁ、エリック」


「なに?」


「お母さんや、ローズはどうしたんだ?」


「あ、今どっか出かけていったよ!」


「えっ?・・・どこに?」



今から朝ご飯を食べるのか、エリックはキッチンからパンとミルクを持ってきて食卓のテーブルについた。



「どこに行ったのかは、わかんない。でも、何か誰かいなくなったって言ってたよ?」


「・・・誰かがいなくなった?」



そう言うと、両手でミルクの入ったコップを持って飲みながら、コクンと頷いた。



< 50 / 149 >

この作品をシェア

pagetop