†Devil Kiss†
それを聞かれ、アリスは苛立ちを押さえるようにため息を吐いた。



「全て、あの女のせいよ・・・」


「あの女・・・・・・?」



ユハが聞くと、クロードが耳打ちしてきた。



「お前がこっち(人間界)来る時に薬くれた姉ちゃんのこと」


「あの女が、何したんだよ」


「実は」


「セドリックがあの女を抱いて、吐かせたのよ!!」


クロードが話すのを割り込み、苛立ちが爆発させたアリス。


家が揺れた。



「おい、苛立つのもほどほどにしろ。家が壊れる」


「わかってるよ・・・」


「その姉ちゃんが、ユハが人間になったことも、人間に恋したことも、みーんな話しちまったんだとさ」


「じゃぁ、アイツはローズのことも・・・」


「うん。顔も見られたから・・・・きっとあの男はユハの弱点であるローズに手を出してくると思うの。あたし達が推理したのは、そこであのベルモンドを殺し、セドリックがベルモンドになりすまし、再び村に戻ってくるってこと。そしてローズの命を・・・・・」




ローズの身に何かあったら・・・



ユハは今までにないほどの恐ろしさを感じた。




< 54 / 149 >

この作品をシェア

pagetop