†Devil Kiss†
「ローズ」


「何?お母さん」



マリーは、少し焦った表情でローズに近づいてきた。



「あんた、家に帰ってなさい」


「え、どうして?」


「どうしてって、家にはユハさんがいるし、エリックもいるんだよ!それに、あんたも家でおとなしくしてな。何があるかわからない」



確かに、ベルモンドの行方不明は自分からどこかへ行ったのか、それとも誘拐なのかはっきりわかってはいない。



だから、外にいるよりは家にいた方が安心できると考えたのだ。



それに、今なら家にはユハがいる。


どんな人物なのかはよくわからないが、どうやらローズとも打ち解けてきたみたいだし、いざとなれば守ってくれるだろう。



とまぁ、何とも不安な駆けだが、マリーはとにかくローズを家に帰したかった。



その気持ちはどうやさ通じたようで、ローズはすんなり返事をして、家に帰った。



「わかったわ。それじゃぁ、お母さん頑張ってね」


「あぁ。気を付けるんだよ」


「えぇ」



マリーはローズの後ろ姿が見えなくなるまで見守っていた。





「はぁ・・・この雨の中、一体どこに行ったんだかねぇ。世話の焼けるお坊ちゃんだ」




そう独り言を呟くと、再び皆に加わり、捜索を再開した。



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