†Devil Kiss†
*    *    *


「ねぇ、お姉ちゃん」


「ん〜?」



お風呂に入って体や頭を洗い終わって、一緒に浴槽に浸かり体を暖めていると、エリックはローズにこんな質問をした。



「お姉ちゃんとユハ兄ちゃんて、仲いいんでしょ?」


「え?えっと・・・そうだね」



仲がいいって勝手に言って大丈夫かな?



「それじゃぁ、お姉ちゃんはユハ兄ちゃんのこと、好きなんだ!」


「え!?」




弟から出た言葉にローズは激しく動揺した。



「え、や、あの・・・好きっていうか・・・あ、そうか。そうね、友達として好きよ」


「友達として?」


「そう!」



エリックは不思議そうに頭を傾げた。



「じゃぁ誰がお姉ちゃんと結婚するの?」


「へっ?!」



な、何でそんなこと・・・



今までこんなこと聞いてこなかったのに。



だが、ふと一人の顔が浮かんだ。



「ねぇ、エリック。それ、誰かに聞いてきてって頼まれたんじゃない?」


「・・・・・・ううん」



口ではそう言うものの、目があからさまに横に動き、言い当てられた驚きと動揺を隠しきれていない。



当然と言えば当然だ。



まだホンの3才なのだから・・・



「お母さんでしょ?怒らないから、正直に言ってごらん」


「言わないよ。お母さんに怒られたくないもん」




・・・・・・それ、もう言っちゃってるじゃん。



当の本人は気付いていないらしく喋らないようにと、後ろを向いてしまった。



「わかったよ。もう聞かない。・・・そろそろ出よっか」


「うん!」



安心したのか、元気に返事をして浴槽から出た。



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