†Devil Kiss†
「あたしと、いるだけで?」



驚くローズにユハはクスッと笑った。



「そうだ。俺には、君が必要なんだ。ローズ・・・・・」



言ってしまった。



正直、この返答次第でユハの運命は決まる。



ユハには勿論勝算も何もない。



ただ、その場の成り行き上、言うなら今しかないと思ったのだ。



だが、ユハは言ってから少し後悔した。



何せ、これで断られたら、もうここにはいられず、魔界へ帰り、もう二度とローズに会うことはなくなってしまうのだから・・・。




ユハは自然と、ローズを抱きしめる力を強め、腰を引き寄せた。




離したくない。


誰にも渡したくない。


愛してほしい。


愛してくれ・・・・・・・・・・





そんな気持ちが届いたのか、ローズはユハの胸に頭をくっつけて、体を全てユハに委ねた。



ユハはハッとして下を向くと、ローズと視線が合った。



するとローズは



「あたしもです」



と静かに呟いた。






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