†Devil Kiss†
やっと思いが通じ合った。



しかし、まだキスはしていない。



だから、ユハが人間になるにはまだ程遠いのだ。




自分からキスをするなら、いつだって、何度だって出来る。



だが、ローズからということなら話は別だ。



魔界の女は構いなく、大胆に積極的になるが、こちらの世界、特にこの時代の女性は、自分から積極的に男性に近づくなど、はしたないと思われるのだ。



ましてや、ローズは恋もまともにしたことがないため、自分からユハに近づくなどまずありえないだろう。



だから、ユハはまずは自分から積極的にローズに愛情表現をするしかないと考えたのだった。





「ローズ・・・・」


「キャッ!もうユハ、突然来たら驚くでしょ?」



朝ごはんを済ませ、洗濯物を干しているローズの後ろから抱きついたのだ。



「じゃぁ、抱きつくときはいちいち許可を取らなきゃダメか?」


「え・・・いや、そういうことじゃなくて・・・」



だんだん俯いて声が小さくなるローズにユハはクスッと笑った。



「冗談だ。でもこれだけは覚えておいてくれ。」



ユハはローズをこちらに向き直した。



「どんな時でも俺はローズに触れていたいと思ってること。それから、君が思っている以上に俺が君を愛していることを」



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