†Devil Kiss†
そう言えば、ローズは頬を赤くして、恥ずかしそうに、でも幸せそうにはにかんだ。



そんなローズを見て、ユハは我慢しきれなかったのか、ローズの唇に自分のを近付けた。




ユハ・・・・・・・・




ローズも静かに目を伏せようとした時




ドンドンドン!!!



家の方からドアを叩く音がしたのだ。



二人ともハッとして、後ろの家の方を見ると、ふくよかな体型の女生と、ダンディーな紳士が家の前で立っていた。




「誰だ?」



ユハが呟くと



「ベルモンド夫婦だわ」



ローズが驚いた顔で見ていた。



「ということは、フィデールの親・・・・・・」


「えぇ。旅行に行っていたから、帰ってくるのはもっと先だったはずだけど・・・」



随分、タイミングがいいわね。



とローズは心の中で思った。




家の中からマリーが出てきて何やら話しているらしい。



何だろう?




「あの女・・・変な言いがかり付けやがって・・・」


「えっ?」



ユハを見ると、唇を固く閉じ、眉間にしわを寄せていた。



「ユハ、聞こえるの?」


「ん?あ、あぁ」



悪魔は嗅覚や視覚、聴覚が人間よりも鋭い。



薬のおかげで人間にはなったものの、そういう部分は元のままだった。



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