†Devil Kiss†
そう。アリスが話していたものとはコレのことなのだ。



「ユハの国にはこういう魔除けのものがあるんだね。あたし、初めて見たわ」


「あぁ・・・ローズが巻き込まれないようにな」



ローズには魔除けとだけ、伝え、渡したのだ。



これは、魔力を体に利かないようにしてくれるものなのだ。



セドリックがローズにも手を出してくる可能性を考えたユハはアリスとクロードに頼んで、どうにか手に入れてきてもらった。



やはりどうしても、攻撃魔力を避けることは出来ないが、誘惑などの操られる魔力には効果を出す代物だ。



「ありがとうユハ。でも、ユハも気をつけてね」



不安そうな表情のローズをユハはフッと笑った。



心配されるのも悪くないな。



いつもあいつらには頼りにされてるだけで、心配なんてされたことなかったな・・・


敵に負けたら、今度はからかわれるし・・・でも、そういうものだった。



相手に情けをかけるなんて誰がしただろう。



悪魔は強さがあってこそ、尊敬され慕われる。



だから、俺達の世界の神、サタン様は本当に素晴らしいお方だった。




ユハは魔界のことを思い出し、少し固まっていた。



「ユハ、どうしたの?」



ローズの声で我に返ると、ユハはローズを抱きしめた。



「ユ、ユユハ??」



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