†Devil Kiss†
ローズが恥ずかしがり腕から逃げようとすると



「ローズ・・・俺から離れないで」



強く抱きしめる腕とは違い、か弱く呟くユハにローズも動きを止めた。



「君がいるから、俺はまともな人間でいられるんだ。君がいなくなったら、俺は人間ではいられない・・・」



もしも、気付かない間にローズが襲われていたら・・・


それを考えるだけで心をギュッと潰されそうだ。



そして万が一そんなことが起きたらユハは人間界でも魔界でも生きられないと思っている。




でも決して、そんなことは
させない!!




ユハは強く誓った。



「・・・・・・うん。離れないよ」



ユハの言葉に疑問を持ったが、ローズは答えた。



そして、自分も昼間思ったことを尋ねた。



「ねぇ、ユハ」


「ん?」


「あなたは、どこから来たの?」



突然そう言われ、ユハは戸惑った。どう答えればいいんだ?



“俺は悪魔だ”



ありえねぇ・・・本当のことを言ったら?



いくらローズでも絶対に、もう会うことも許してくれないだろう・・・



だが、これは人間の根本的な気持ちなのだろうか?



希望を持たずにはいられない・・・



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