†Devil Kiss†
*    *    *




「じゃぁ、お母さん、行ってくる!」


「あぁ、気をつけてね」


「えぇ」



今日は買い出しということで、ローズは村へ行くという。



「ローズ、俺も行く」



ユハは、ローズの身の安全を心配するのと、本物の村を目で見てみたいという興味があり、急いでローズの元へ行った。



すると、ユハの姿を見てマリーが提案した。



「そうだ!1着ぐらい、新しい服をユハに買ってやりな!」


「服を・・・それは、とてもいいことだけど、お金は?」



ローズはマリーにヒッソリと聞いた。


ユハには全て筒抜けなのだが・・・聞こえていないフリをする。



「あたしが大丈夫って言ってんだから、いいんだよ」


「そう・・・わかった。じゃぁユハ、一緒に服を選びましょう?」


「あぁ!」



そういうと、二人は仲良く並んで歩きだした。




その様子を見たエリックがマリーに言った。



「お姉ちゃん、最近とってもご機嫌だね」


「あぁ!勿論だとも。」


「ユハお兄ちゃんのおかげ?」



顔を上に上げてマリーを見た。


そんなエリックにほほ笑みながら、マリーはエリックの目の高さまでしゃがんだ。



「そうだよ。ユハお兄ちゃんはお姉ちゃんにとってかけがえのない存在なんだ。きっとお前にもそんな人が出来るよ」


「ふーん」




エリックは笑い合ってる二人の後ろ姿を見つめた。



マリーは二人を見て、昔を思い出していた。そして




あなた、ユハはあの子を幸せにしてくれるんだろうか・・・・


どうか、彼らを導いてやってね。




と、祈った。



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