逆ハーレム☆意地悪王子と訳あり姫
――――午後4時
私は今、あえて言うのなら、漫画やアニメならムカつきマークが頭に浮かんでいる状態だろう。
それは、私が4時5分前に駐車場に着いた時。
矢沢さんが車の扉を開けてくれた。
そんなお嬢様じゃないので、恥ずかしい。
車はなぜかリムジン。
一人しか乗らないのに、こんな大きいのはちょっと…。
それに、リムジンなんて目立ってしまう。
「あの、私だけなのでもっと小さいのはないですか??
目立っちゃうから恥ずかしくて…。」
しかし、矢沢さんは首をかしげた。
今の私の発言におかしい所なんてあった??
「希沙様…。実は付いてくと…皆様がもう車に乗っておられますが…。」
「はい!?!?!?!?」
私がバッとリムジンの中を覗くとそこには優雅に長い足を組んで、座っている柊兄弟がいた。
なるほど。最初からそのつもりだったわけ。
「矢沢さん。放っておきましょう。」
「しかし…。」
私は見なかった事にして、近くにあった車に近寄ろうとした時…
グイッと両腕を引っ張られた。
私は軽々と持ち上がる。