逆ハーレム☆意地悪王子と訳あり姫
「な、何のよう…?」
戸と壁の間をせまくして、目をあわすことなく聞く。
狭哉も俯いている。
狭「ちょっと…いいか??」
会いたくない。
話したくない。
狭「話し…あるんだけど。」
「私は…話したくない。」
わかってる。
本当に狭哉が謝りにきたことくらい。
でも、女にとってのファーストキスは、謝ったからって許せる代物ではない。
もし、実際に謝られたら私は、狭哉を許してしまう気がする。
そんな自分は、軽い女だと思われるのが嫌だ。
狭哉と喧嘩したいわけじゃない。
でも、それを割り切れるほど私は大人じゃないから。
狭「分かってる。でも、俺は話しがある。」
「なにそれ…。狭哉の都合なんて知らないし。」
狭「頼む。もしそれでお前に許してもらえないなら、お前とはもう関わらない。」
……
「入れば…………??」
戸を再度全開まで開く。狭哉はわりぃ、と部屋に入り、部屋にあるソファに腰掛けた。