逆ハーレム☆意地悪王子と訳あり姫
「ゲッ…男物がこれしかないし。」
それは、黒っぽいジーパンと半袖Tシャツ。
薄いメンズパーカー。
はっきりいってダサい。
Tシャツもあまりかっこいいデザインじゃない。
だってこれは、緊急事態用に学校の帰り道、セールをやってるのを見て適当に買ったやつ。
確か…全部で1000円という驚異の値段だった気がする。
困ったな…。
こんな服じゃさすがに歩けない。
コンビニに行くくらいならいいけど。
「参ったな…。」
まぁ…金も服買うような余裕ないし。
あの10000円は、友達との遊びに使いたい。
なら、答えはひとつ!
着れないことはないし…
「これでいっか。」
私はそうして他の準備を済ませた。
持って行くキャリーバックは、意外と物が詰まってない。
たぶん、服が無いからかな。
向こうでの服は…適当にセールがやってたら買おう。
そんなことを考えながら、私は重いまぶたを閉じた。