逆ハーレム☆意地悪王子と訳あり姫
私は小さい声で矢沢さんにお願いした。
「よ、よろしいのですか??」
矢沢さんもそれに小声で対応してくれる。
「はい。もう道も分かりますし、夏休みとはいえ目立ってしまうので。」
左様でございますか。と矢沢さんは車を一時停止にした。
透「どうした。」
「はい。希沙様がこちらで良いと。」
私は戸を開けて外に出た。そこには、懐かしい風景が広がっている。
ここは丁度、私が通学路として使っていた道だ。
まだ1ヵ月ほどしか経っていないはずなのに…
こんなに懐かしく感じるなんて、思いもしなかった。
「矢沢さん、ありがとうございました。」
透「待て。俺たちもいく。」
「えぇ………。」
正直、あまり来てほしくない。
でも、ここまで送ってもらって追い返すと言うのも人としてどうだろう。
「いいですけど…勝手な行動はご遠慮願います。」
柊『ほ~い。』
気の無い返事に呆れながらも私たちは学校へと歩き出した。