イケメン霊能少年の憂鬱
あの交差点の事故だって、
オレが合図しなければ、
そのまま通り過ぎた
だけだったかも知れない。


――オレは自分のことしか考えてなかった……


ナツは自分以外のことしか考えてなかったのだ。


いじめからオレを救い、
オレが望んだように封印を破り、
あのカミナリが落ちたときも、
ヨージたちを救おうとしてた……


――オレはどーしょーもねぇな


たった一人、
手を差し伸べてくれてたナツにさえ
手を振りほどかれてしまったのだ。
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