イケメン霊能少年の憂鬱
「出ますヨ。
 いいですか」


「ああ。大丈夫、いやダイジョブだ」


オレはナツのさっきの
呪文のようなコトバが
アタマに残ってたので
ナツ風にそれを口にした。


ナツはニッコリと笑ってくれた。


――はじめてだな。
  オレがナツを笑わせたのは


どうやらまるひと晩
ここで金縛りに合っていて、
体がガチガチだったが、
ナツに手を引かれてなんとか歩き出せた。


――オレは1度ここで死んで、甦った


そんな気がした。
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