イケメン霊能少年の憂鬱
「いや、
 ナツが心配してるようなことじゃないさ」

まわりのコたちが
オレ達のことを注目してるのが気になって、
ナツのキレイな黒髪に隠れた耳のあたりに
顔を近づけて言った。


「あとで話すよ」


その仕草が誤解を生んだのを、
まわりの女の子たちが
騒いでるのを見て初めて気づいた。


オレはテレくさくなってきた。


おもえば、
ナツに近づいたのは山とか洞穴とか
奇妙なシチュエーションだけだったので、
普通の状況だと、
ナツの可愛さがよくわかる。


オレは顔が赤くなりそうで、
急いでその場を立ち去った。
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