ストレイ・ハーツ〜夢みる王子のねがいごと〜
**ソラの告白
◇ ◆ ◇
ふと、自分に降る視線を感じてうららが瞼を押し上げると、視線の先にやわらかく笑うソラの顔があった。
優しく揺れる瞳に、懐かしさが込み上げる。
透き通るような、青い瞳。
それからソラの手が、ゆっくりうららの頬に触れた。
──ああ、よかった。
顔色も、息も落ち着いている。
その様子にうららは心の底から安堵した。
――わたし、いつの間に眠っていたんだろう…ソラはいつから起きていたんだろう。
まだぼんやりと霞がかったように、頭が働かない。それでもうららは無意識に口を開いていた。
「………ソラ、もう…平気なの…?」
「うん、もうだいじょうぶ。うららが見つけてくれた、薬のおかげだよ」
「……、ソラ…」
じんわりと広がる温もりに現実味が重なり、うららは堪え切れずに体を起こし、ソラに抱きついた。
その腕の中にすっぽりと収まると、ソラの体温が、鼓動がすぐ傍に感じられて涙が出るくらい嬉しかった。
「ごめん、心配かけて。…ごめんね、うらら」
ソラのやさしい声がもう聞けなくなるかもと…もう二度と名前を呼んでもらえなくなるかもしれないと、それを思うだけでいくらでも涙が溢れた。
胸が千切れそうなくらい、苦しかった。