パズルのピース
低い声で呟くと、隼人はあたしから離れて頬を膨らました。
「もー…いつになったら付き合ってくれるの?」
「あんたと付き合う?一生ないね」
「ひどーい。今までそんなこと女の子に言われたことない」
そんな隼人に呆れて、あたしは隼人の横を通り過ぎて自分の教室に向かった。
「ちょっ、愛ちゃーん」
毎日、さっきのように隼人に捕まる。
あたしは桐谷 愛(キリタニ アイ)。
高校二年生の16歳。
あたしは、世にも有名な桐谷財閥の娘。
まぁ、お嬢様みたいな感じ。
「つーかさー、はーくんなら別に彼氏にしてもよくね?愛に本気みたいだしー」
この人は如月 ユリ(キサラギ ユリ)。
おちゃらけキャラでいつも明るい。
ユリとあたしは幼なじみで、あたしのことをよくわかってくれている人。
いつもあたしと一緒に行動している。
ユリは如月病院という、日本で一番大きい病院の院長の娘。
まさにお嬢様だ。
「そうだぉ。隼人くんなら愛も幸せになれるぉー。イケメンだし!」
金岸 瞳(カナギシ ヒトミ)。
ぶりっこキャラでイケメン好き。
瞳とは中2の三学期くらいに知り合ってから仲良くなった。
瞳は『CB』という、『CrystalBerryz』の訳で、誰もが知っている、有名ブランドを生み出した人の娘。
瞳もお嬢様だね。
新城 麗奈(シンジョウ レイナ)。
いつも冷たくて、喋るのは短い言葉。
麗奈も瞳と同じ時期に知り合って仲良くなった。
麗奈は裏社会のボスの娘。
だから家には色々な武器はあるし、麗奈も自分の身を守るために麗奈専用の銃を持ち歩いている。
怖いけど、麗奈もお嬢様だ。
あたしたちは4人グループで、リーダー的存在はあたし。
このグループには、みんな美人で可愛い人しかいなく、当たり前のようにモテる。
だから、この中で一番目立つ、学校で一番目立つ、あたしが隼人に目を付けられた。
「隼人は無理。しつこいしうざい」