危険なホスト様に恋して
入ってすぐ近くにあったソファに座らされて、毛布を掛けてくれた。
「計れ」
「へ?」
「いいから、計れって」
そう言ってあたしに体温計を渡す、秀幸。
あたしは体温計を秀幸から受け取ると腕に挟んだ。
ピピピピピッ♪ピピピピピッ
体温計が鳴り、腕から出すと秀幸があたしの手から奪い取った。
「39.2℃…」
嘘…そんなにあったの?
「昨日露出があるワンピースなんか着てくっからだろ!!アホッ」
「…。」
「ちょっと待ってろ」
そう言い秀幸は出て行った。
秀幸が部屋からいなくなると、一気に寂しい気持ちになった。
いつも家で一人でいるはずなのに…
慣れているはずなのに…
秀幸の温かい腕に包まれたくて…
でも、もしかしたら秀幸にとっては普通なのかもしれない。
あたしはここの“客”
前に助けた事のある“女”
それだけなのかもしれない…
でも、それでもいいと思えた。
秀幸の側に居れるのなら…
あたしどうしちゃったんだろう?
こんな事今までなかったのに
きっと熱のせいでおかしくなっちゃったんだよね?