きっと ずっと もっと。
それからと言うもの。


両家の親の目を盗んでは、ことある毎(ごと)に躯を重ねる様になったあたし達。

仕掛けるのはどちらともなく、キスが暗黙の了解。


触れた唇から躯中に広がる熱は、性に興味が芽生え始めたあたしを夢中にさせ――深みに嵌(はま)っていった。

――それくらい、キモチイイものだった。


コーちゃんは何も言わなかったけど、15歳のあたしでも流石に理解していた不埒な関係。

親兄弟には到底言えない密通に、普段は今まで通りの幼馴染みを装っていた。


変わった事と言えば“初めて”を終えた直後、新卒予定だったコーちゃんが内定していた就職先を蹴った事くらい。


それは冷静沈着なコーちゃんが何故、と誰もが驚くちょっとした事件だったから、あたしの記憶にもしっかりと刻まれていた。
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