きっと ずっと もっと。
小父(おじ)さんも小母(おば)さんも、それは驚いた事だろう。

蹴った内定先は名の知れた有名企業だったし、その話は勿論、我が家にも大きな衝撃を与えた。


でも、どんなに周囲が騒ごうが当の本人は涼しい顔。

理由さえ言わずに飄々としているコーちゃんを、あたしはコーちゃんらしいと密かに思った。


以来、定職に就いた様子もないコーちゃんは、でも毎日忙しそうに夜昼問わず外出する事が増えた。


外泊する事も多く、前触れもなくふらりと帰って来てはあたしを抱く。

そんな三年間。


短いようで長い三年と言う月日は、あたしを成長させるのに充分な時間だった。


もうあたしは何も知らなかった15歳じゃない。

いつまでも同じじゃいられない。
――このままじゃ、イケナイ。


高校の卒業を目前に控えた今、これをきっかけにあたしはコーちゃんとの甘んじた関係も卒業しようと決めていた。
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