きっと ずっと もっと。
ふわふわと優しい母に、どこか頼りなさげな父と兄。

それがあたしの知っている家族の姿。


でも、今の母は“母”と言うより“女”の言い分。


何故もこうまで母があたしに“女”を求めるのか。

たかが18歳そこらの小娘に、自分の子供に、何を教えようとしているのか。


母に言われた言葉が頭を巡る。


だけど、どんなに考えてみても、あたしには母の真意が判らなかった。


気付けばいつの間にか普段の“母”に戻っていた母は嬉々とした表情で、やっぱり母のではない――あたし用の――ショーツとブラのセットを数点購入していた。


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