きっと ずっと もっと。
実の家族でさえ焦りを感じる、あたしの就職問題。

それは幼馴染みであっても、赤の他人であるコーちゃんには話していなかったし、話すつもりすらない。


それはあたしがコーちゃんに対して初めて引いた、“家族”と“家族同様”の線引きだった。


15歳のあたしなら、きっと全てを話をしていただろう――けれど、18歳のあたしがそうしないには理由がある。


この三年間に芽生えた思い。

コーちゃんだけには、知られたくない。
コーちゃんだけには、同情されたくない。


あたしに突きつけられた現状を言葉にするのは簡単だけれど、あたしはコーちゃんに憐れんで欲しい訳でも、どうにかして欲しい訳でもない。


何より“現実”を知られる事を、頑(かたく)なに拒んでいた。
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