きっと ずっと もっと。
確かに此処――東京ならば、募集は沢山ある。


「しっかし都内蹴って地方選ぶとは、最近のジョシコーセーはわかんねぇなぁ」

普段からは想像できない、教師らしからぬ口調の担任はあたしに問いかけた。


「なんでそこまで、東京を嫌がる?」

「…………」

黙(だんま)りを決め込んだあたしに、担任の言葉が続けられる。


「腹割って話そーぜ。教師と生徒としてじゃなくてよ」

「…………」

「今、俺はただの男でお前もただの女だ。……進路に躓(つまづ)いてる、な」



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