きっと ずっと もっと。
伝えようとしていた、あたしの想い。

傷付かないよう、気付かない振りをしていた、あたしの本音。


思わず口にしたそれは、若干の語弊(ごへい)があるものの“あたし が コーちゃん を 好き”なのは事実。


ただ悔やまれるのは、その言葉が“あたしの言葉”ではなく、“先生の言葉”ってだけで。

――コーちゃんの反応からするに、やっぱり言わなければ良かった、なんて思うだけで。


どんなに悔やんでも、取り消せないその告白の、告白でしかない言葉にあたしは慌てふためいた。


「あのねっ、違うの……!」

『――友里』

「っ、」

聞き慣れたより、一段下がった声のトーン。

発したのは勿論コーちゃんで、怒気を含むようなその低い声にあたしの声は制される。
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