きっと ずっと もっと。
父がコーちゃんに出した条件通り、あたしはコーちゃんを選んだ。

でもコーちゃんが一人前って、

「定職、就いてないんでしょう?」

条件、満たしてなくない……?


繋いだ手に力が籠もる。

それにきつく握り返してくれたコーちゃんは、

「大丈夫。ちゃんと満たしてるから」

大丈夫だと力強く言い切る。


「今までも別に仕事をしてなかった訳じゃないんだ。さっき言った様に秘密にしていただけで。4月からは正式に、ショウビグループで働く事になった」

「ショウビグループ!?」

……と言えば、かなり有名な大企業。

あたしは就活していたから勿論だけれど、小学生だって知っているくらいの。


「あぁ。訳あってこの4年間、ショウビの傘下で働いていた。養える財力くらいあるよ」
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