きっと ずっと もっと。
コーちゃんも反応に困ったんだと思う。

直後に訪れた沈黙がそう語っていると思った。


そして、その沈黙こそが自分の失言に気付く時間でもあり、

「あ……あのね? 違うの! お兄ちゃんの部屋に彼女来てて! あたし、知らなくてドア、開けちゃったの……ね?」

「…………」

「そしたらそのっ、……してて」

黙ったまま何かを考え込んでいる様なコーちゃんに、あたしは慌てて言葉を紡ぐ。


「ホラ、は、初めては痛いって聞くし!」

「…………」

「あたし彼氏とか、いたことないし……」


必死に頭を働かせたところで、一度口にしてしまった言葉は撤回できる訳もなく。

加え、自分が処女だと言う余計な情報までもをフェードアウトしてしまい、恥ずかしくなったあたしの語尾が段々弱まる。
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