悪魔と少女とkissマーク
グィッ
『じゃあこいつ連れて行くんで
もう穂波に手出ししないでくださいね、成宮センセ』
悪魔は私の手を引くと
生徒指導室を飛び出した
あまりにもその足が速くて
私は成宮先生のほうを振り向くことさえ出来なかった
キラキラ
キラキラ…
こいつの周りが光って見える
午後の西日のせいだとそれはごまかすとしても
私の中の
ごまかしきれない想いに気づいてしまった
これ以上育てることは許されない思いに気付いてしまった
窓ガラス越しに当たる日光は
…私にとっては熱すぎて
頬に流れた雫が乾いてカピカピになっていた