悪魔と少女とkissマーク





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…本当はもう少し穂波を見ていたかったけど

俺には用事が出来た




ユウに
会いに行くと言う用事が…



『やっぱりね、もうそろそろ来ると思っていたよ』


薄い笑顔でフッと笑うと
低い位置にある枝からヒョィッと飛び降りた



「…穂波は、貰う」

『何で俺にそんな事言うんだよ』


手に付いていた砂を払うしぐさをしながら
ユウは俺から目を反らした



「お前の友達の娘なんだろ?
だからお前も実の父親のように可愛がっていた…違うか?」



見た目は俺と同じくらいのユウ
だけど俺より長い時を生きている精霊



「あの日俺と穂波を会わせたのもユウだよな
…正直言って理由が分からない」



俺の言う「あの日」は

穂波からマフラーを貰った雪の降っていたあの日だ





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