悪魔と少女とkissマーク
ユウは木の根元に座り込んで
フゥーっと息を吐き出した
『…俺さ、自分で自分の寿命が分かんないんだよね』
そこでようやく
ユウは俺の目を見た
『だから穂波ちゃんには早く幸せになってほしいんだよね』
胡坐をかいて座り
その上に肘を乗せてその手で顔を支えて
ユウはどこか遠いところをその目に映していた
自分がいなくなる前に
穂波をきちんと任せられる奴が欲しかった
俺と穂波を会わせたのはそのためだったらしい
「じゃあ、なんで…」
なんで、
俺なんだ?
はっきり言って
俺はユウに認められるような奴じゃねぇと自分で分かってる
自分以外の奴なんか興味が無かったし
本心を言える相手がまわりにいなかった
いつも見えない“なにか”と競っていて
競うのが嫌になると人間界へ逃げていた
そんな環境で育ってきた
俺だったら絶対に
こんな奴には渡したくない