悪魔と少女とkissマーク



___________...




「あそこで女の武器出すのは反則ですよねー!」

『だけど結構騙されちゃうよ、あれは』



その日見た映画は
内気な女の子が告白されて
だんだんと恋を知っていくという物語だった


私は話に熱が入ってきた
「あの出会いはちょっとありえない感じがしませんでした?」


『うーん…だけど
僕と穂波ちゃんの出会いも十分ありえない経験だったしね』


そこまで言うと日下部さんは何を思い出したのか
ぶぶっと口元を抑えて噴出すのをこらえていた


そのときのことを思い出して
カァァっと顔から湯気が出そうなほど赤くなった私





<さかのぼること2ヶ月前>




私は志乃ちゃんと学校が終わった後寄り道して遊んでいた


『次どこ行く?』

「えーっとねぇ…」



ドンッ


前を見ていなかったせいで人にぶつかってしまった


イタタ…



「『すいま…』」

すいませんと言いかけた言葉は途中で止まった



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