悪魔と少女とkissマーク
って、ちょっと待てよ
「その手に入れた心というのはどこにあるのですか」
普通はこの場にその実物が無いと手に入れたって事にならねぇんじゃ…
『それならそこにあるじゃろうが』
ジジィが指差したのは
俺
『お主の純粋な人間を手に入れた記憶
それを献上すればいい話じゃ』
じゃあ
俺の記憶は…
『お主の彼女に関する記憶は全て消えるが
それだけで高額の報酬が貰えるなら安いもんじゃろ』
俺の中の一本の糸が
ぷっつりと切れた
「…すか」
『…?』
「それを拒んだ場合はどうなるのですか」
声が震えそうになるのを気力で抑えて
右の拳を痛いほど握り締めながら言い切った
ジジィはその答えを待っていたように
感じの悪い笑みを浮かべた
『普通の悪魔なら魔界追放じゃの
勝手に契約を結んだという事実は変わらぬ』