悪魔と少女とkissマーク
普通の悪魔なら
だが生憎俺は『普通の悪魔』じゃない
俺が普通の悪魔だったならば
魔界追放でもいいから唯一の頼りのこの記憶だけは無くしたくない
俺は普通じゃないから
一人の判断では簡単に決めることが出来ない
俺は
魔界のラサタード王国
第一王子だからだ
俺に兄弟でもいればいいんだが
一人息子で幼い頃から父の後を継ぐことが決まっていたようなもの
従って
王位継承権も俺にある
王位を継ぐことは
俺の使命みたいなものになっている
俺が穂波の記憶を渡せば
穂波には二度と会えない
俺が穂波の記憶を渡さなければ
この国は路頭に迷う
二者一択
どちらを選んでも
どちらかを失う
失いたくないものばかり
失わなければ進めない状況に持っていかされる