いつか会える日まで
でも、中学でしーちゃんと出逢って私は変わった気がする。


しーちゃんは口数が少ない割にクラスでは人気者で頼りにされていた。

休み時間もみんながしーちゃんのとこへ行っていた。

そんな私にしーちゃんが声を掛けてくれた。




「あの…」

しーちゃんに話しかけられても顔を見れずに下を向いたまま、しーちゃんに体を向けた。

「この間読んでた本貸して!!」
その当時私がハマっていた本は[誰にも相手にされなかった主人公は最期、愛する人と心から信頼できる友人のそばで天国へ逝った]という話だった。

この時私は主人公と自分を重ねていたと思う。


それをしーちゃんもハマっちゃって、私の本をよく借りるようになった。

それからしーちゃんとは仲良くなって、私も変わりだした。

でも、あくまで女子だけ。

女子とは話せた。

やっぱ、トラウマからか単純に男子とは接触したくなかった。
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