お嬢様は元ヤンキー!?




「そこからその不良と殴って蹴っての繰り返し。

初めてだった。
人を傷付けるなんて。

でも殺らなきゃ殺られる。それしか頭になかった。

小学校の時から合気道とか、空手とか護身術として習ってたから喧嘩なんて簡単だった。

そして数分もしない内に1人で不良を倒していた。

ビックリしたなぁ。私が殺ったの?て思ったもん。

それぐらいがむしゃらで、喧嘩している間の記憶がないぐらいで、必死だったんだなぁって思った。

そんな時声をかけられたの。


当時の…

ジュエルのキングに。


ジュエルとか、キングとか、死のうと思っていたから正直どうでもよかった。

でもいざってなったら怖くて死ねなくて…

生きてるって凄いんだなって思った。


そんな時キングに言われたの。

『死ぬ勇気があるなら生きてみろ。

お前が死にたくても死ねないのは何かを諦めてないからだ。

まだ何かを諦めたくないんだろう?』…って。

確かにそのとおりだった。

本当は自分でも分かってたのかもしれない…

恐い事から逃げるように、私は生きる事から逃げているだけだって。」




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