お嬢様は元ヤンキー!?
本当は…
行くとこなんてないんだけどね――…
ただ…
あれ以上真綾と奏斗の会話を聞いていたら、
泣きそうになったから――…
「もー…
本当…嫌になっちゃう…」
わざわざ遠回りに帰って来ちゃったし…
私何やってるんだろ…
「あっ…雨…」
止んだ…?
灰色の重たい雲が次第に晴れ、光が射し込んできた。
「さっきまでは逆だったのにね…」
さっきまでは天候が雨で気分が晴れだったのに、今は…気分が雨になってしまった。
「――…ぇえーい!!!!
うじうじするな緒方 渚っ!!!!!
決めた事をやり通せっ!!!!」
取り敢えずっ、妃ちゃんに今の心境を言おう!!!
まず、そこからだっ!!!!
私は携帯を取り出してアドレス帳から妃ちゃんの名前を探した。
妃ちゃん…
妃ちゃん…っと…
あ!あった!
―――――――プルルルルル
―――――――プルルルルル
―――――――プル《はい。》
「あっ!妃ちゃん?」
《渚ちゃん?珍しいね。電話掛けてくるなんて。》
「うん。
…っとそれよりっ!
妃ちゃんっ。今から時間大丈夫?」
《え?大丈夫だけど…》
「じゃあ、今からそっち向かうね!!」
《えっ!?
ちょっと渚ちゃ…》――――ピッ
妃ちゃんが何かを言いかけてたみたいだったことは知らなくて。
「よしっ!」
私はもう迷わない。
自分に素直になるって決めたから。
できることを1つ1つやっていこう。
努力はきっと報われるから――…