お嬢様は元ヤンキー!?
「奏斗…?」
「自分で起き上がって?」
「……奏斗が離してくれないと起き上がれない。」
「だから、俺の腕振り払って起き上がって?」
「うん…ι?」
『そんな事していいのかな』と思いながらも起き上がってみる。
起き上がって振り払うだけだよね?
簡単じゃん。
やってやろうじゃない!!
でも――…
「ん…?」
「どした?」
う…動かない…ι
「奏斗…
わざと力入れてない…ι?」
「いや、全然。」
全然動かないんだけど…ι
何回かやってみたけど起き上がる事すらできない。
「………。
……分かった?」
「え……?」
「俺がお前に何が言いたいか分かった?」
「…?分かんない…」
奏斗はゆっくり手を離してくれて、私は起き上がって奏斗の方を向いた。
「要するに…
いくら喧嘩は強くても、男に力では敵わないってこと。」
――――――――ズキン――
「な…何が言いたいか分かんない!!」
「お前さぁ、最近無防備過ぎ。
ほら…今だって髪濡れてるし…」
そう言って私の髪を少しだけ掬う。
「男はそーいうトコそそられたりするの。
男と女じゃ、力も違う。
だから、あんまり無防備過ぎると、男に喰われるよ?」
「――…っ//!!!」
「まぁ、そう言うことだから、気を付けろ。」
そう言うと奏斗は私から懐中電灯を取って歩き出した。
「――…っ。
なんなのよ…急に…」